敷金、礼金ほかいろんな費用
あなたは、家賃5万円のアパートをインターネットで見つけて、そこに書いてある不動産屋に電話して予約して来店しました。部屋の内覧を終わらせて初期費用の計算をしてもらったら、35万円です。
初めて家を借りた方は、ひょえぇ~ちょっと、どんな計算したらそうなるの~?
なんだか桁が違うって!
について解説していきましょう。
・敷金、礼金
敷金、これは皆さんなんとなく分かる方も多いと思います。入居時に大家さんに家賃の1~3カ月分を預けておいて、退去時に現状回復費用を差し引いた残額が返ってきます。さて、この敷金から引かれる現状回復費用。気になりますよね。なんだかんだとうまく取られてほとんど返ってこない。近年はそういった事も少なくなりましたが、以前はよくある事でした。
家賃の滞納もなく、普通に使っていたならば、10年住んだって基本的に、敷金というのは全額返ってくるものです。
知ってましたか?いくらかは、返ってこなくても仕方ないやじゃないんですね。
もちろん、現実はそう簡単にはいきません。なので、トラブルになる事が多いんですね。
そこで、現在では国土交通省がガイドラインを示しています。
ポイントになってくるのが現状回復費用という事。
あぁ、借りた時の状態に戻さないといけないのね?←実は違います!!
・国土交通省が示す原状回復とは
国交省のガイドラインには、こうあります。
原状回復とは
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
このように定義し、その費用は借りている人の負担としました。そして、いわゆる経年劣化や通常の使用による損耗等の修繕費用は賃料に含まれるものとしました。
原状回復が、借りた時の状態に戻す事ではないと明確化したんですね。
これは裁判事例を元に作られています。
トラブルを未然に防止する為には、このガイドラインを元に契約時によく確認しておく事が重要です。
次に礼金。字から察して誰かにお礼するお金。正解ですが…誰が誰にお礼をするのでしょうか。
これは、家を借りる人が、貸してくれる大家さんに対して、貸してくれてありがとうというお礼そのものです。払ったから何かしてくれるのか?いいえ、何もしてくれません。相場としては家賃の1か月分を借主が貸主に払って終わりです。
納得できないわという人が多いのではないでしょうか?
例えば、レンタルCDショップに行ってCDを100円で借りました。100円払っているので借りれて当たり前ですよね。100円で私に貸してくれてありがとう。お礼の気持ちです。はい+100円払う人なんて誰もいないでしょう。
なぜ、こんな礼金というものが不動産にはあるのかというと、戦後、日本には家が少なく、なかなか貸してもらえなかったんですね。今でこそ余りまくっていますけど、そんな借家が少ない中で、家賃を払って、家を貸してもらえるというだけで大変ありがたい時代があったわけです。そこで、当時は大家さん、貸してくれてありがとうの気持ちを込めてお礼していた慣習が未だに残っているだけという事です。
・前家賃
家賃は基本的に前払いです。例えば4月1日から入居予定で3月中に契約したとしましょう。4月分の家賃は前払いですので3月の契約時に前払いします。物件によっては2ヶ月分を要求されるところもあるでしょう。
・保証料
保証料とは連帯保証人を立てない代わりに、保証会社に保証してもらう為の費用です。
保証料の相場は家賃の半分が目安でしょう。更新時には1万円程度の更新料がかかります。尚、保証会社は自分では選べないのが一般的です。大家さんや、仲介会社指定の保証会社になる事が大半です。理由は保証会社は代理店経由でないと契約できない事がほとんどだからです。個人が直接申し込んでも保証を受けられないのです。
保証契約を結んでおけば、万が一、家賃の滞納があっても保証会社が代わりに払ってくれます。もちろん保証会社には返さなければいけませんが。
近年は、大家さんも連帯保証人は不要で、保証会社の保証を受けれる方という条件を付ける方が多数になりました。大家さんが取り立てしなくていいですからね。ただ、デメリットもあって保証会社が保証してくれるのは家賃であって、入居者が建物を破損させたりトラブルになって賠償義務が発生しても保証してくれません。ですので、従来通り保証人を立てて下さいという大家さんもいらっしゃいます。
近年では賃貸物件の供給が過剰になってきたせいか、借りてくれる人を確保する為に、敷金0礼金0の通称ゼロゼロ物件も普通になってきました。
そこで家を借りる時の初期費用 後編では、ハウスクリーニング代金や消臭費用など、謎の費用に迫ってみたいと思います。
きちんと交渉して入居契約する為に
なかなか、けむに巻かれたり、安心して契約できない雰囲気がある賃貸契約ですが、誰でもきちんと交渉できる方法があります。あなたが少々口下手でも大丈夫です。
その方法とは、代理人を立ててアナタの代わりに交渉してもらう。
代理人を立てると難しそうな事を言いましたが、簡単です。
まず、大体の人は物件を探すとき、インターネットで探しますね。そして、これいいなといった物件を見つけると、そこに掲載されている不動産会社に直接問い合わせをします。
そうじゃないんです。いいなと思う物件を見つけたら、そこには書いていない他の不動産屋に行きましょう。そして、このインターネットで見つけた物件に入居したいのですがと相談してみてください。
その不動産会社は100%アナタの味方です。なぜかというと、大家さんから物件を預かっている不動産会社は、どうしても大家さんよりになってしまう部分があるのです。いくら公平に仕事をしようとしても、どうしようもない事があるのです。
そこで、あなたは、あなたで自分の味方をしてくれる不動産会社を立てて代わりに交渉してもらいましょう。あなたが、こうしてほしいという事をあくまで代わりに交渉してきてもらうだけなのです。これだと、だいぶハードルが下がりましたね。
違う不動産会社に行ったからといって仲介手数料が増える事もありません。
そして、気の合う不動産屋を見つけたら顧問弁護士ならぬ顧問宅建士として大いに利用しましょう。弁護士と違って相談はいつでも無料です。どんなに引っ越しをしても、きっと末永くあなたのパートナーとなってくれる事でしょう。
物件を探している方で、たくさんの不動産屋を回ってたくさんの個人情報をばらまいている方をよく見ます。強引なセールスがたくさんきて困っている人も多いでしょう。
気の合う不動産屋にまかせたなら、あなたの情報は契約時まで出さずに交渉してくれます。あなたの個人情報を渡すのは1軒の不動産屋だけで十分なのです。
現在は、不動産の情報もインターネットで情報化され、大手不動産屋でも地域の小さな個人の不動産屋でも探せる在庫は、ほとんど同じになりました。
ですから、不動産という商品に不動産屋の大小の違いはありません。
是非、あなたに合った生涯のパートナーになれそうな不動産屋を探してみませんか?